中之島(その1)

フェリーとしまが宝島を出航しました、という防災無線の声で6時過ぎに起床。
諏訪之瀬島までは3時間以上の航海。

朝食を済ませ、K氏はフェリーの乗船券を買う為に役場支所へ、自分は
昨日写真を撮っていなかったヤマハのホテル跡へ。

ホテルは意外としっかりした作りで、内装もそれほど時代を感じさせない。
鏡台には諏訪之瀬島の歴史?を綴った様な本と、伊豆辺りの古くさい
パンフレット等が放置されていた。

宿に戻り、荷物をまとめて港まで送ってもらう。
宿泊していた6人は今日島を立つのだが、3人は自家用機なのでフェリーは
見送り側。今日は宿が取れたら屋久島だそうで、我々からすれば信じられない旅程。

# 屋久島はくびおり鯖が絶品だそうで、それを食べに行くとか

昨日と違い穏やかな海。
鹿児島から仕事で来ていた人と色々と雑談しながら過ごす。
7月頃から仕事で長期諏訪之瀬島に入るそうなので、一緒に
温泉に渡りましょう、とお互い名前も知らないのに妙な約束をする(笑)

平島で乗って来た大学生に話しを聞くと、某大学の野鳥研究会で
毎年恒例の合宿に参加するとか。自分だけ2日前に出て、平島で1泊
してきたそうで。

K氏から降りますよ〜、と言われたのは予想通り中之島。
人口、面積共に十島村(としまむら)最大の島で、十島村(じっとうそん)
だった頃には役場も置かれていた村の中心地。
諏訪之瀬島と違い、集落らしきものが有るだけ都会。

平島から仕事で来た看護士さんと一緒に宿まで車で移動。
島のパンフレットと地図を貰い、大体の説明をしてもらった後、昼食。
今日は御岳へ登る事に。

途中、中之島郵便局へ。
残念ながら風景印は無いとの事。村外への郵便物は基本鹿児島行きの船に
乗せるそうだが、奄美大島方面の場合は名瀬行きの船が有る場合はそちらに
乗せる事も有るとか。
郵便物が毎日は届かない所は、十島村と三島村と小笠原村くらいかもしれない。
十島村には郵便局が無い島も有るので、そういう島から葉書や切手の注文が
入ると、船に頼んで届けるそうで。

港から少し入った所に有る御岳山頂への分岐に有る案内板だと、登山道分岐
まで8.2km、そこから山頂まで30分程。時刻は13時20分過ぎ。
宿まで戻る時間を考慮すると15時までには分岐に着いておきたい。
という訳で「(分岐まで)目標90分」と少々無茶な案を伝えスタート。

この道、御岳に設置されている各種電波中継所の管理用に整備されたもの
なのだが、現都知事の石原慎太郎が事情を知らずに「税金の無駄使い」と
非難された事が有ったそうだ(事情を知った後、謝罪したとか)。

登山経験豊富なK氏とは違い、坂道や階段に弱い自分は20分程でバテバテに。
足を引っ張ると悪いので、待たなくて良い事を伝えて別々に登る事に。
標高600mを過ぎた辺りで調子が出て来て、再度ペースを上げて登っていた
横を駐在さんのバイクが挨拶して通過(後に色々とお世話になる事になるとは
この時は知らず)。

電柱にチョークで後1.5kmの文字。ここから所々に残りの距離が書かれていた
が、駐在さんが明日増えるであろう観光客の為に記してくれたものだった。
降りてこられた駐在さんと話しをした所、K氏は100m程先を登っているとの事。
頑張って追いかけ、登山道への分岐で待っていたK氏と合流。14時55分。
距離8.2km、高低差700mを95分なら自分としては上出来(^^)

再度登ってこられた駐在さんとしばし雑談。
案内が乏しいからもう少しなんとかして欲しい、と役場には要望している
そうだが、なかなか動いてくれないので職務外だけれど観光客の手助けに
なる様お手伝いをされているそうで。
登山道の藪も数日前にボランティアとして数名で伐採されたとかm(_ _)m

十島村の駐在所はこの島だけで、人手が無いから連休でも休めないとの事。
有人7島は南北に160km以上…これって日本一長い管轄の駐在所では!?

話しをしている最中軽トラックが到着、これから山頂まで登るとの事なので、
一緒に登る事にし、駐在さんとはここでお別れ。
かなり段差の有る階段で、明日の事を考え一人だけ遅れてのんびり登る。
(全然一緒じゃないじゃん、という突っ込みは無しで)

遠くはガスっていて他の島は見えなかったものの、標高979mから
見はらす景色はとても気持ち良い。
この日は噴煙も少なく、火口が奇麗に見渡せた。
火口内には階段状に積まれた石が有り、かつては硫黄の採取が
行われていたそうだ。
火山性ガスに脅かされながらの作業はかなり危険だったに違いない。

帰りは軽トラの荷台に乗せてもらって楽々移動。
↑良い子は真似しちゃいけません

宿に風呂は無いので、海岸に有る集落の共同温泉にて入浴。
白濁した硫黄泉が心地良い。

夕食後、夜中までK氏と駄話して就寝。