K氏に降りますよ、と言われて降りたのは諏訪之瀬島。大時化の為1時間程遅れての到着で約11時間の航海。
十島村の有人7島は港湾業者がいない為、地元の人々が分担して荷受け作業等を行っている。宿のご主人も作業着とヘルメットの姿で、荷受け作業が終わってからの送迎。
港周辺に民家は無く、坂を登って宿に到着。予想に反して奇麗な建物でちょっとびっくり。ここはトカラの中で2番目に大きい島なのだが、活発な活動を行う火山を有する為、人の生活エリアはかなり狭い。人口もIターンで増えた数年前までは最小だったそうだ。
徒歩で役場支所や榊戸牧場等を散策、一旦昼食の為に宿に戻ろうとするが、曲がろうと思っていた道に気付かず大回りしてしまうハメに。
# どうやら未舗装の道を曲がらなければいけなかった模様
# トカラは食堂が無いので、宿は原則3食
昼食後、キャンプ場、飛行場跡のヘリポート、切石港経由で乙姫の洞窟へ。港や洞窟周辺の斜面にはマルバサツキが沢山咲いていた。周囲の島は、洞窟から元浦港へ移動途中、一部の角度からのみ平島がうっすらと見えただけで、他の島はガスで見えず。
元浦港で何やらエンジン音が、漁船にしては大きいなぁ、と思っていたら、小型のレシプロ機が頭の上を通過、途中でヘリポートへ向かう宿の車が見えたのは、飛行機が降りる為だったらしい。元飛行場で今は緊急用ヘリポートとして使用、と書いてあったので飛行機が発着するとは思っていなかったので驚いた。
1813年の大噴火で無人化した島を再開拓した藤井富伝の墓に寄り、火山活動活発化の為立ち入り禁止で登れない御岳の代わりに、手前のナベタオへ向かう事に。途中通りかかった車の快活なおばちゃんに乗せてもらい、川上牧場へ。
車に乗っていたおばちゃんは別の宿の人で、おじさんはお客、おじさんが「観光案内をしてくれ」と頼んだら「ほとんど見る所は無いよ、島のお土産に筍掘りに行こう」と散々筍を掘らされ、夕方になってようやく島の案内を開始した所で我々に遭遇した模様(苦笑) 島の筍は大名竹の物で美味、火山活動で地熱が高い為他の島より1ヶ月程収穫時期が早いのだそうだ。土も火山灰の成分が多い為、掘らずにポキっと折るだけで収穫出来るのだとか。
川上牧場に到着、おばちゃんが「モモ〜!!」と呼ぶと、牛がやって来た。ここの島の2つ有る牧場は共同で利用されていて、牛の飼い主が呼ぶと餌を貰いにやって来るそうだ(驚)
分岐で降ろしてもらって歩こうと思っていたら、ナベタオまで乗せて行ってくれる事に(おばちゃん有り難う!)。御岳の中腹に有るナベタオは標高400m程、途中から登山道になるため車を降り火山礫で滑る道へ。サンダルで登るのは初めてだ〜、と言いつつおばちゃんは真っ先に登って行く(凄げぇ)。
ナベタオは火山礫の広がるちょっとした台地になっていて、マルバサツキ等の低木がまばらに群生しているだけの荒れ地。例年ならこの辺りも満開で一面ピンク色に染まるそうだが、今年は遅いらしく咲いている木はほとんど無し。
登りたかったなぁ、と思いつつ御岳の斜面を良く見るとあちらこちらに山羊が。連中身が軽いから、火山礫でガレている斜面で平気で登りやがる。
京大の観測機器が有るらしく(帰宅後調べたら気象庁の観測機器も設置済み)、交換用のバッテリー(12kg)を持って行けば日当15000円で、おばちゃんもやっているとか。御岳の狭い尾根を越えて運べば25000円になるけれど、そこまで行くのは怖いから絶対嫌だ〜、だそうで。
# 両側がガレ場の急斜面だから自分も嫌だ…
前の便(2日前?)で京大のスタッフが来ていて、その時に来ていたら便乗して御岳も登れたのに、との事。惜しかった。
榊戸牧場へ寄った後、再度飛行場へ。飛行機が駐機して有るらしく入り口のゲートが閉鎖されているが、おばちゃんは気にせず開けて(施錠はされていない)滑走路へ車で侵入し、滑走路端まで走行。滑走路上を車で走るのは初めての経験でなかなか楽しい。
高台に有る滑走路の端から見る御岳は見事。
この飛行場、ヤマハがリゾート開発の為に自前で設置した物だが、撤退の際に村に譲渡されたもの。ヤマハは他にも三島村硫黄島、竹富町新城島、竹富町小浜島等に進出したが結局撤退、今なら受けたのだろうが時期が早すぎた。ヤマハのホテル跡にも案内して貰って宿の前で降ろしてもらう。泊まっていた宿もバレバレだった様だ(汗)
おばちゃん、有り難う!!
宿泊客仕事の為同じ船で渡って来た1人と自分、K氏、飛行機で飛んで来た3人の計6人。飛行機で来た人達は大阪八尾空港から硫黄島、久米、那覇、粟国、与論、沖永良部、徳之島、奄美大島等を巡って来たそうで…なんかスケールが違いすぎる。
港で見た時は、滑走路確認の為に一旦通過(タッチ&ゴー?)した時だったそうで、見てましたよ〜、と言ったら「自分も(機内から)見た気がする」との事。機内から撮ったデジカメの写真を拡大してみると…写真の一番端にしっかりK氏が写っていた(笑)
宿に有った十島村史を読みながら就寝。